第1日 2023年10月28日(土)
12:20~13:20
委員会
委員会会場 8号館 第3会議室
13:30
会場開室
14:00
開会時間
14:10~15:20
講演会場 8号館ホール/オンライン
講演
伊達騒動と文学・芸能―史実と虚構のあいだ―
東北大学名誉教授・宮城県慶長使節船ミュージアム館長 平川 新
●要旨
伊達騒動とは、万治三年(1660)の仙台3代藩主綱宗の強制隠居事件と、寛文十二年(1672)に仙台藩奉行原田宗輔が幕府大老邸で起こした刃傷事件のことをいう。
綱宗は放蕩と乱行が過ぎて家臣や親戚大名の不信を招き、強制隠居させられた。だがこの事件は、伊達政宗末子の伊達宗勝と幕府老中酒井忠清が共謀した仙台藩乗っ取り陰謀事件としてもとらえられた。それは、宗勝が幼君4代藩主亀千代の後見人となって藩政の実権を握ったことで、さらに増幅された。一門の伊達宗重は宗勝の専横を幕府に訴えて受理され、老中評定が開かれる。その場で対決したのが宗勝腹心の原田だった。不利を悟った原田は、逆上して宗重を斬殺した。
世上を騒がすこうしたスキャンダルは、とうぜん世間の耳目を集めた。伊達騒動を題材にした多くの実録物が流布し、歌舞伎・浄瑠璃でも人気演目になった。筋立ては虚構に満ちているが、丹念に検討してみると意外と史実に即したプロットもある。とくに殿が花魁の高尾を船中で吊るし斬りにする歌舞伎「伽羅先代萩」の「高尾、船中の場」は、埋もれていた史実を考察する大きな手がかりになる。史実と虚構のあいだを探ってみたい。
15:45~17:30
ワークショップ会場 8号館 第3・第4会議室/オンライン
若手研究者ネットワーク化促進企画関連ワークショップ
「世代を超えて、話し合おう」
●企画概要
日本近世文学会は、昨今の若手研究者数の減少や、新型コロナウイルス感染症流行以降の研究者間の新たな人的ネットワーク構築の困難などに鑑み、若手研究者のネットワーク化の促進に取り組む予定です。これに関連して、二〇二三年度秋季大会実行組織では、本年六月にオンラインでの若手研究者交流企画を実施しました。
今回は、前回交流企画での意見・要望等を反映し、「近世文学史をめぐって」「近世文学と教育」「近世文学とデジタル化・国際化・学際化」という3つのテーマを考えるグループに分かれ、若手会員とより研究のキャリアの長い会員との交流や、研究に関する情報交換をおこないます。
18:30~20:30
懇親会(対面開催)
懇親会会場 江陽グランドホテル 翡翠の間
ご案内
1.10月26日までに、申し込み時のメールアドレスに、ZoomのURLと「申込者専用ページ」入室のためのパスワードをお送りします。
2.オンラインで参加される方は、Zoomは最新のバージョンに更新してご参加ください(設定方法はこちら)。
3.大会期間中の録音・録画を禁じます。また、無断で動画・音声・資料を複製・使用することや、第三者に転送・公表することも固く禁じます。
4.各種委員会については担当者から別途ご連絡いたします。
5.土曜日に懇親会を対面で行います。詳細は大会プログラムをご覧ください。
6.託児料金補助を申請する会員は、こちらから申請書をダウンロードして記入の上、必要書類を付して学会事務局に提出してください。対面参加・オンライン参加の場合とも対象となります。
第2日 2023年10月29日(日)
10:00
会場開室
10:30~12:30
研究発表会会場 8号館842教室/オンライン
研究発表会|午前の部
●山東京伝『梅之与四兵衛物語 梅花氷裂』の再検証
――粟野十郎左衛門を通した物語構造――
早稲田大学(院) 小林 俊輝
●曲亭馬琴の著作における〈悪人〉像
――文化年間初頭の作品を中心に――
大阪大学(院) 池田 真紀子
●十返舎一九『黄金花咲陸奥帖』にみる詩歌の活用
――宗任伝説の変容と名所和歌の地誌的想像――
ハイデルベルク大学(院) フィンク ウィクトル
12:30~14:00
昼休み
14:00~16:00
研究発表会|午後の部
●近世後期における性霊派の和歌題漢詩について
九州大学(院) 王 自強
●『玉箒子』三ノ一「清水寺の詩」における典拠と石川丈山像
名古屋大学博士研究員 森 翔大
●乃翁の東北行脚と『去来抄』故実編
日本女子大学 福田 安典
16:00
閉会
第3日 2023年10月30日(月)
文学実地踏査